山口由稀「SEN -観光業の新たな価値と空間の提案-」
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現在、宿と観光施設の行き来だけで終わっていた旅行の形態が主流になっているが、地域全体を宿泊施設と捉え、旅行者のみならず、地域住民にとっても心地よい外延的な宿泊施設を提案する。題名の「SEN」とは①「川」川のような流れの中にある、②「鮮」多様な場があり鮮やか、③「染」地域住民と旅人がお互いの色に染まり合うという三つの意味が込められている。
1.今までの宿泊施設とこれからの宿泊施設
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宿泊施設という機能に「旅する」「働く」という行動を足し合わせた新たな空間に、地域住民と旅人との相乗効果が期待できるように計画する。
2.外延的な観光
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計画敷地は岐阜県美濃市。計画敷地赤い箇所の周辺状況は、北西側に川、その奥に山がある。北側と西側にも山があり自然に囲まれた敷地で、北西斜面で高低差は20mである。
美濃市は「自然」「日常(教育)」「観光」の3つの特色に分かれていて、今回設計した建築は3つの特色をそれぞれ味わうことができ、街を通り抜けていく、流れの中にある建築になっている。それによりバラバラだった街の特色を繋ぎ合わせることができるのではないか。
また、具体的に既存のレンタサイクルを拡大し、赤丸の7箇所に新たなレンタサイクルステーションを設置しました。自転車というデバイスを用いて街の中に回遊性を生み出すことで外延的な観光が実現する。
3.コンセプト
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4.動線計画https://gyazo.com/ee1f81a394cd377167eccd3607919814
土地の起伏に沿って緩やかに蛇行する建物の間を通り抜ける動線は近くを流れる「長良川」を思わせる。移ろいゆく景色を楽しみながら、美濃市の豊かな自然を味わうと共に地域の人と旅人との様々な交流を生み出す散歩道となる。紫色の線は斜面に沿ったメインの動線でそこに異なる方向からの青で示した動線が合流し、さらに水色で示した縦の動線が交差する川のようになっている。
赤く示した川のように削られる部分は人の流れをスムーズにし、黄色で示した砂がたまる部分は人々のたまり場となる。
5.パース
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6.平面図
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7.断面図
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単純な基本のフレームに壁面や軒、屋根などのエレメントを付加していき、さらに傾斜のある土地を生かし、多様な場を生み出していった。
このように身体的にも心地よい地域の人と旅人が一体となった外延的な新しい観光のかたちを実現させた。
講評:入力中(仲)